1万円でできた当社のIoT

第93回 長谷川正の「言ったモン勝ち」


明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
昨年、「10万円でできた当社のIoT」というブログがありましたが、10万円では高すぎる、もっと安く簡単にできるIoT(コト・モノのインターネット化)を紹介いたします。まずは下の写真を見てください。

1万円でできた当社のIoT

当社工場にある一般的な射出成型機の写真ですが、注目すべきは左上の赤丸で囲まれたところ。ここにMESHブロック(ソニー製 市価5,600円)を貼り付けました。このMESHには動きを感知する無線電子センサーが組み込まれており、MESH(射出成型機)が動くたびにタイムスタンプというデータをファイルに自動で書き込んでくれます。それでは、実際に書き出されたファイルを見てみましょう。

1万円でできた当社のIoT

想像から分かると思いますが、このタイムスタンプは
「2019年10月24日09時45分43秒」
「2019年10月24日09時46分15秒」
「2019年10月24日09時48分42秒」
それぞれの時刻にMESH(射出成型機)が動いたことを示しています。このようなデータを毎日積み上げていくと、射出成型機が1日にどれだけ動いているのか、つまり、稼働率を簡単に算出することができます。

今までならば、機械の稼働率を調べるには過去の手書き日報を引っ張り出してきて、エクセルにデータをしこしこと手入力していました。手間と時間がかかるため途中で挫折、もしくは稼働率を出すことで満足してしまったことが何回もあります。でも考えてみれば、目的は稼働率を出すことではありませんよね。稼働率算出は現状把握という手段であり、いかにして稼働率を上げるのかが目的(ゴール)となるべきです。

このように、MESHを利用すれば自動的にデータが積み上がります。確かに初期設定は必要ですが、その後は積み上がったデータを処理するだけで稼働率が自動算出されてしまうため、こんなに楽なことはありません。一体過去の苦労は何だったのか・・・参考として、当社にある2台の射出成型機の稼働率(10/24~11/28)を示したグラフを下記に示します。このグラフから問題を抽出し、稼働率を上げるためにどのような解決案を打つべきなのかに、労力を集中することができます。

1万円でできた当社のIoT

ちなみに、ここまでの経費はMESHブロックが5,600円、通信に使うスマホ(使い古し可)が3,000円程度、消費税を含んでも1万円でおつりがきます。初期設定のMESHプログラムも視覚的で誰でも簡単に組むことができますので、初めてのIoT導入としては十分な機能と私は考えます。もし欲張るのであれば、MESHブロックの代わりにラズベリーパイを自作してもっと費用を抑えつつ機能も増えますので、腕に自信がある方は是非とも挑戦してみて下さい。

1万円でできた当社のIoT


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