電圧降下(ドロップ)とは?基礎・基本を学ぶ

2021-09-01

第146回 長谷川正の「言ったモン勝ち」

先日のブログにて電圧降下(ドロップ)の記述がありましたので、少し補足いたします。一般家庭では聞きなれない言葉ですが、工事現場ではよく使われる専門用語です。電圧降下を要約すると、電線手元の電圧が末端になるに従って低くなっていく現象のことを指します。つまり、コンセントから100Vを取り出しても、電線が長すぎると家電機器に届く時には100V以下になってしまいます。そうすると、家電機器が正常に作動しないことがあるので電圧降下には注意しましょう、ということです。なお、電圧降下が起きる原因は電線の内部抵抗にあります。実は、電線は電気を通すだけではなく、その過程でほんの僅か発熱し、エネルギーを失って(電力消費して)いるのです。また、電圧降下は、電線の内部抵抗が大きければ大きいほど高くなり、かつ使用している家電機器の出力(消費電力)とも密接な関係があります。

電圧降下が大きくなる使用環境

・電圧降下は、電線が細いほど、大きい
・電圧降下は、電線が長いほど、大きい
・電圧降下は、使用電流が多いほど、大きい

電圧降下が大きくなるのは上記の条件が挙げられますが、一般家庭ではほぼ影響ありませんので安心してください。それを証明するため、家電機器が安全に使用できる環境とはどんな状態かを下記にシミュレーションしてみます。

使用電源:一般家庭の100Vコンセント
使用家電:ドライヤー
消費電力:1,000W
電線太さ:2.0㎟

と、ここで、

電圧降下は何ボルトまで? 何パーセント以内?

という疑問が湧いてきます。言い換えれば、家電メーカーが想定している許容入力電圧は何ボルト?ということですが、この規格はカタログにも表示義務がありませんので、各々のメーカーでまちまちでしょう。しかしながら、電気を作り出す電力会社にとっては各家庭に供給するべき「標準電圧」が電気事業法にて規定されており、一般家庭の100Vであれば許容範囲を101±6Vとしています。つまり、安全に使用するには電圧降下を6V以下に収めればいいわけで、それにはコードの長さを・・・

「33.7m以下」にしなさい!

と(下記の数式より)算出されます。でも、実際はコードが30mあるドライヤーって、少なくとも私は見たことも聞いたこともありません。仮に、コードを1.25㎟に細くするとコードの長さは4.2m以下と計算されます。それでいて5mのコードが必要な場合、ドライヤーの消費電力(W)を下げれば電線は長くすることが可能です。このように、メーカー側は電気機器の性能と電圧降下を計算した上でコードの太さや長さを決定している、とも言えます。(電線の種類も関係あります。)一般的に、ドライヤーや電子レンジなどの消費電力が大きい家電機器は電線が太く、LEDスタンドライトやテレビなどの消費電力が小さいものは電線が細くなるのはこのためです。なお、この電圧降下の数値は下記の数式で求められますが、メーカーHP(株式会社三ツ星)の自動計算サイトが公開されていますので、一度はお試しください。

電圧降下の数式

単相2線式は一般家庭、三相3線式は工場などで使用されます。両者の詳細は長く難しくなるので機会を見つけて説明いたします。

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PostedBy 長谷川 正