提灯・電照コードとは?基礎・基本を学ぶ

第141回 長谷川正の「言ったモン勝ち」


地元のお祭りやイベントで飾られている提灯を光らせるためのコードを「提灯コード」と呼んでいます。前のブログで紹介した、工事現場で使われているスズラン灯(照明)も、提灯用に使えば提灯コードと呼べなくもありませんが、提灯コードには提灯に特化した機能が備わっています。また、最近になって増えてきた電照栽培向けの「電照コード」を紹介します。

提灯・電照コード

まず、フックが付いていること。このフックは、提灯のツルを引っ掛けるものであり、かつフックを紐などに引っ掛けてコード自体も保持するという複数機能を持っています。紐なんていらないのでは?とも思われますが、紐を使わないで提灯コードをセッティングするとコード自体に引っ張りの力が働き、コードの長さ、たわみの少なさ、提灯の数によって引っ張りの力が強くなります。電線が常に引っ張られている状態だと、いつか断線する危険性を含みますのでお勧めしません。加えて、屋外で提灯が受ける風雨などの影響も少なくありません。このような場合、フック無しも選択できるようになりました。結束バンド用の取付穴を利用して固定することができるので、最近では、いちごなどの栽培向けに電照コードとして、日本全国のビニールハウスで活躍しています。電照栽培の事例はこちら。

提灯(ちょうちん)コードとは?

次に防水ソケットが使用されていること。もともと電球をねじ込むための器具をソケットと呼びますが、その構造より下部からの水の侵入を防止することは出来ません。しかし、ソケットを下向きに使用するという環境下で「線付防水ソケット(JIS C 8302)」という唯一の防水規格が存在します。つまり、安全に提灯コードを使用するためには、構成されるソケットも防水であることが必要条件となります。

防水でない提灯コードが出回っている

ちょっと脇道に逸れます。当社製品は全数が防水認証を取得していますが、今現在巷で実際に使用されている他社製の一般的な提灯コード(例えば町内会のお祭りやイベントで使われているもの)は、ほぼ全てが防水認定を取れていません。実際に提灯が使われるのは屋外がメインなのに、雨が降ったらどうするの、と心配になりますが、それが現状です。なお、防水認定を取るためには構成する全てのパーツ(電線、プラグ、コネクター、分岐部分、ソケット)が防水試験に合格し、かつ防水規格をクリアする必要があります。確かにひと昔までは若干規制が甘く、街の電気屋さんがピン端子型プロソケットというパーツで自作した提灯コードを使用することが習慣化していましたので、そこまで安全性を求められていなかったのでしょう。ですが、ピン端子型プロソケットを使った自作提灯コードが風雨に晒されたことが原因とする感電事故が相次ぎ、2008年に販売製造が中止となってからは、完全に自主的な安全配慮を求められるようになってしまいました。

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