防滴、防雨、防水規格の違いとは?基礎・基本を学ぶ

2021-08-31

第145回 長谷川正の「言ったモン勝ち」

先日のブログで説明した提灯コードに関して、「実際に使用されている提灯コードのほぼ全ては防水認定が取れません」「防水規格をクリアできない」と述べましたので、ここでは防水規格について簡単に説明します。

家電機器にとっての大敵とは、錆やショート(短絡)の原因となる水分の侵入であることは一般的に知られています。屋内専用であれば問題ありませんが、屋外で使用されたり、屋外へ持ち出されるものに関しては雨に濡れないよう注意する必要があります。しかしながら、まさかのゲリラ豪雨などで雨に濡らしてしまうこともあるでしょう。そういう私も、携帯電話やスマホを何度も濡らし、それが故障原因で買い直した苦い経験もあります。そのため、最近のスマホは水分が浸入しない構造が主流となり、一般にも防水の規格が知られるようになりました。

「防滴」「防雨」「防水」の違いは?

ざっと辞書で調べたところ、「防滴」「防雨」「防水」とも、水の浸入を防ぐことを意味します。感覚的には防滴よりも防水の方がより水が入りにくいと想像されますが、水の浸入からの保護に関しては保護等級(IP規格)により規格化されています。保護等級とは、機器の防塵、防水に関する保護を規格化しているもので、IEC(国際電気基準会議)及びJIS(日本工業規格)の2つの規格(内容はほぼ同じ)で規定されている、機器の保護等級を記号で示したものです。記号とは「人体及び固形異物(粉塵等)に対する保護」である第1特性数字と、「水の浸入に対する保護」である第2特性数字から構成されています。たとえば「IP64」の場合、第1特性数字である「6」は固形異物(粉塵等)に対する保護等級を、第2特性数字である「4」は水の浸入に対する保護等級を意味しています。また「0」は保護なし、どちらかの保護等級を省略する場合は「X」を挿入します。

IP規格(worldstaff.hatenablog.comより引用)

防塵や防水に関しては、特性数字が大きくなればなるほど性能がアップされると考えても基本的には問題ありません。ですが、例えばIPX8にある「水没からの保護」の試験をクリアしていても、IPX6の「あらゆる方向からの強い直接噴流からの保護」が保証されることはなく、保護規格はそれぞれで独立しています。スマホのカタログなどでIP規格が2種類表示されているのはこのためです。なお、規格を取得するには認定機関に現物を持ち込んで希望の試験を受け、合格する必要があります。昔はJET(電気安全環境研究所)に持ち込む必要がありましたが、近年は電気用品安全法も改正され、第三者認証機関でも試験を受け付けています。

実のところ、このような水の浸入からの保護に対する規格はありますが、「防滴」「防雨」「防水」規格の厳密な定義は決まっていません。強いて言えば、上記の保護等級(IP規格)の防水を参考にして、
防滴———-IPX1~2
防雨———-IPX3~4
防水———-IPX5~8
と概ね分別されますが、これ以外にも「生活防水」「完全防水」などの呼称もあるため、各々のメーカーによって独自の基準がありそうです。

「防滴」「防雨」「防水」のイメージ

とは言ってもその都度規格を調べるのは面倒なので、一体どれがどう違うの?と聞きたくもなります。そこで、私が抱いている規格のイメージを下記に紹介しましよう。あくまでも個人的なイメージですので、ああこんなもんなんだな、とふわっとした感覚でとらえて頂ければ十分です。

防滴規格—–久しぶりの休日、街中へショッピングに出かけたが、急に雨が降ってきた。でも、まだ小雨なので傘を広げる程ではない。そこで、雨を避けるように店舗の軒下や屋根のあるところを選んで濡れないように注意しながら歩いた。

防雨規格—–次第に雨粒が大きくなり、人々が行き交う歩道もちらほら傘が目立ってきた。朝の天気予報では午後から雨模様だったので、傘は持ってきている。これ以上服が濡れるのは嫌なので、お気に入りの傘を広げてショッピングを続けた。

防水規格—–雨と同時に風も吹き始め、傘を持つ手に力が入る。頭上からの雨は傘で防げるが、ナナメからの雨でズボンが濡れてしまっている。そこで、いざという時のために常備していた雨合羽を着ることにした。上下セットのフード付きなので、もうこれで服が濡れることはない。スニーカーもGORE-TEXなので足元も快適、快適。

※あくまでもイメージです。

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PostedBy 長谷川 正