電気はなぜ難しいのか?基礎・基本を学ぶ

第142回 長谷川正の「言ったモン勝ち」


電気はなぜ難しいのか?

「仕事柄、電気に携わる機会が多いのですが、自分がそれを理解すること、ましてや他の人へ説明するとなると実に難しく悩ましい、と日々痛感しています。例えば、力のかかり方やモノの重さは、目で見えたり身体で感じることができます。普段から触れて見ているものに力を大きく加えれば変形したり潰れたりする、または重いものを持てば腕や腰が痛くなるなど、感覚的に理解しやすいものです。一方電気にはそれが見えません。辛うじて見えるのは画面表示の数値が変化する、もしくはテスターの針が揺れる程度です。しかしながら、そんな見えないモノを理解する難しさが電気の醍醐味であり、また私を惹きつける部分なのかもしれません。」(過去のブログより引用

日常生活に必要な電気知識は意外とシンプル

このように感覚的に理解しにくく見えないモノである電気を苦手としている人は私の周りでも沢山います。中学理科の電流と電圧、もしくは電気回路からの苦手意識でしょうか。しかし、安心してください。社会人にとって日常生活に必要な電気知識は意外とシンプルで、ボルト(V)・アンペア(A)・ワット(W)の3つだけを覚えれば良いのです。各々は電気を表す単位であり、ボルトは電気を押し出す力(電圧)、アンペアは電気が流れる量(電流)、ワットは消費される電気エネルギー(消費電力)を表し、下記の公式が当てはまります。

電圧(V)×電流(A)=電力(W)

日本国内の一般的な電圧(ボルト)と言えば交流100Vと一定ですが、それぞれ使う家電によって消費する電力や電流値は異なってきます。例えば電子レンジ(消費電力800W)を使うと8A(800W÷100V)の電流が流れ、掃除機(消費電力1,000W)を動かせば10A(1,000W÷100V)の電流が流れます。もし、電子レンジと掃除機を同時に使うと消費電力は1,800W(1,000W+800W)となり、計算上は18A(1,800W÷100V)の電流が流れます。しかし、一つのコンセントから同時に使えるのは1,500Wもしくは15Aが上限という規格(JIS C 8303-2007)がありますので、規格以上の電気が流れた場合、ブレーカーと呼ばれる安全装置が働き電気を遮断します。よく耳にする、ブレーカーが落ちた、とはこの現象を指しています。

電気は難しいとは?
もし、何かの不具合でブレーカーが落ちなかった場合、電線が発熱したりコンセントが溶けたり、最悪の場合は火災を引き起こす可能性もありますので、1つのコンセントから使えるのは「1,500Wもしくは15A以下」という電気の基礎知識は必ず覚えておきましょう。言い換えれば、これさえ覚えていれば日常生活は何の不自由もありありません。市販のテーブルタップ(マルチタップ)に「タコ足配線厳禁」と表記されているのはこのためですので、一度確認してみてください。
参考)長谷川製作所の得意技術(電線分岐加工)

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