No.193 長谷川正の「言ったモン勝ち」
以前のブログにてシーケンス制御に触れましたので、「その説明ブログをいずれ書こう」と考えていましたが、私の知識が絶対的に足らないため実現できませんでした。これで終わるのはちょっと悔しいので、先月、外部機関にて「シーケンス制御」と「PLC制御」の講習を受講してきました。その備忘録を全5回のブログに書き残すことにします。特に完全未経験のシーケンス初心者向けとしていますので、上級者の方にはつまらなくなりますがご了承ねがいます。
第1回:【全体像】工場の装置はどう動いている?シーケンス図が読めると「中身」が見えてくる!
配属されて当社のような製造工場の現場に入ると、あっちにもこっちにも巨大な装置や複雑な機械が並んでいますよね。もし、先輩から「ちょっとあの装置の点検をしておいて」と言われても、
「ボタンを押したら動くのはわかるけど、中で何が起きているのかさっぱりわからない…」
と、ブラックボックスを見ているような不安な気持ちになっていませんか?実は、工場の装置のほとんどは「シーケンス制御」という仕組みで動いています。そして、その設計図である「シーケンス図」の読み方さえマスターすれば、機械のカバーを開けなくても、中で電気がどう流れて、どう動いているのかが100%透けて見えるようになるんです!そんなシーケンス制御の「全体像」と「図面を読むおもしろさ」について、分かりやすく解説していきます。
1. シーケンス制御ってなに?
まずは言葉の意味からスッキリさせておきましょう。「シーケンス(Sequence)」を日本語に訳すと、「連続」や「順序」という意味になります。つまりシーケンス制御とは、一言でいうと
「あらかじめ決められた順序に従って、制御を正しく進めていく方法」
のことです。
身近な例でいうと「全自動洗濯機」がまさにこれです。スタートボタンを1回押せば、人間がずっと見ていなくても、自動的に「給水」をして、「洗い」をして、「水を抜いてすすぎ」をして、「脱水」をして止まりますよね。この「あらかじめ決められた一連の手順」を電気の回路で実現しているのがシーケンス制御です。
工場の装置も全く同じです。「ボタンを押したら、コンベアが動き、製品が来たらセンサーが検知して、ロボットがアームを伸ばして掴む…」といった一連の動作が、すべてこの制御で動いています。
2. 装置の「頭脳」と「手足」
シーケンス制御を理解するときは、装置を人間の体に例えると非常にわかりやすくなります。装置は大きく分けて、「入力(目や耳)」「制御(頭脳)」「出力(手や足)」の3つのパーツで構成されています。
・入力(目や耳):押しボタンスイッチ、レバースイッチ、製品を検知する「センサー」など。
・制御(頭脳):入力からの情報を受け取り、「次はこれを動かせ!」と判断を下す部分(リレーやPLC)。
・出力(手や足):実際に動くモーター、シリンダー、異常を知らせる「ブザー」や「ランプ」など。
点検保守の仕事とは、この「入力・制御・出力」のどこかで起きたバグや故障(「目が汚れて見えなくなっている」「頭脳の命令が途切れている」など)を見つけ出して、元通りに直す仕事のことです。
3. シーケンス図は「装置の取扱説明書」
「でも、目に見えない電気の動きなんて、どうやって点検すればいいの?」と思いますよね。そこで登場するのが「シーケンス図(展開接続図)やラダー図」です。研修で私が一番感動したのは、「図面を読み解くと、装置がどういうルールで動いているのかがすべてストーリーのように見えてくる」ということでした。
シーケンス図を読むときのコツは、電気を「水」、スイッチを「水門(蛇口)」に例えて、「上から下へ(または左から右へ)水が流れるルートを追う」ことです。
「ここのスイッチ(水門)を押すと、水がザーッと流れて、この先にある電球(水車)が光りだすんだな」
「あ、でもここに別のセンサー(もう一つの水門)が閉まっているから、今は水が流れないんだ!」
このように図面が読めるようになると、装置の動きが頭の中でアニメーションのように動き出します。この感覚を掴むと、シーケンス制御が一気におもしろくなります!
4. 昔の主流「有接点リレー」と、今の主流「PLC」
今回の研修では、シーケンス制御の2大方式である「有接点リレー制御」と「PLC制御」の両方を学びました。実際の工場の現場には、この2つが両方とも存在しています。
このように図面が読めるようになると、装置の動きが頭の中でアニメーションのように動き出します。この感覚を掴むと、シーケンス制御が一気におもしろくなります!
「えっ、2つも覚えるの?」と不安になる必要はありません。
実は、PLCの中で使うプログラム(ラダー図)は、昔ながらの有接点リレーの回路図をそのままパソコンの画面内に再現したものです。つまり、どちらも根本にある「考え方」は100%同じです!
たとえば、新入社員の皆さんがこれから現場で活躍するために、図面を読めるスキルは最大の武器になります。トラブルが起きたとき、図面をサッと広げて「原因はここだ!」と指差せる先輩は、文句なしにカッコいいですよね。
次回(第2回)は、図面を読み解くための最小単位であり、点検で最もよく触る「A接点・B接点」の違いと、最重要部品である「リレー」の仕組みについて、どこよりもわかりやすく解説します。お楽しみに!
【今日のまとめと、保守点検への第一歩】
・シーケンス制御は装置を決まった順序で動かす仕組み。
・シーケンス図は、電気を「水」に例えて上から下に追うと読み解ける。
・図面が読めれば、機械の中身をバラさなくても動きが理解できる。
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