コロナ禍の融資制度は本当に有効か?

第126回 長谷川正の「言ったモン勝ち」


先日の新聞で、「中小企業の倒産件数が減少傾向」という記事を読みました。要約すると、コロナ禍における売上減少の状況にて、政府の融資制度が有効的に機能しておる、という内容です。会社を経営している私の第一印象としては、「状況は逆に悪化しているのでは?」と疑ってしまいます。

確かに、現在の融資制度は充実しています。売上が減少している企業向けの「持続化給付金」「新型コロナウィルス感染症特別貸付」など、ちょっとググればいくらでも出てきます。特に後者は「特別利子補給制度」を利用すれば、利子や保証料を一定期間ゼロにすることが可能で、中小企業にとっては夢のような融資制度と言えるでしょう。更には本年度の補正予算にて、ゼロ金利の融資限度額が4,000万円から6,000万円まで増額されています。

ここで、渡りに船とばかりに融資申し込みに走る経営者の皆さん、もう一度よく考えてから行動を起こすことをお勧めいたします。ゼロ金利なのは3年間だけ、その後元本返済も始まります。あくまでも融資であって、将来返済しなければいけないことを忘れてはいけません。借金は将来の利益の先取りとも言えますので、それまでに確実に利益が取れる企業体質にする必要があります。

一時的に手元資金を増やしても、すぐそれに手を付けるようでは返済時に必ず苦労します。もちろん、背に腹は代えられぬ状態であれば仕方ありません。しかし、本当に今の売上減少は一時的なものですか?コロナ禍が収束したら売上げは確実に戻りますか?コロナ禍後の新しい生活様式に絶対はありますか?3年後に中小企業の倒産が急増する状況を想像できますか?

先の新聞記事には大企業の過去最高益更新のトピックスが踊っています。大企業は資本も人材も豊富にあるため中小企業と比較してはいけません。そういえば、多すぎる中小企業は自然淘汰されるべき、みたいな記事も過去にありました。永田町の官僚たちが5~10年後にその姿を目論んでコロナ禍の融資制度を推進しているとしたら、やはり彼らは頭が切れると言わざるを得ません。

コロナ禍の融資制度は本当に有効か?


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