出(い)ずるを制(せい)して入(い)るを量(はか)る「納税猶予の特例制度」

第112回 長谷川正の「言ったモン勝ち」


コロナ禍が猛威を振るう中、企業が苦しんでいます。既に失業者が1万人を超えていますし、これからもっと増えることは確実です。しかし、大企業はどうしてあんなにも簡単にリストラをするのでしょうか。解雇される従業員にも家族がいます。であれば、本当の影響は発表の3倍にも4倍にも及ぶでしょう。

中小企業経営者としては、何としてでも解雇を防き、事業を継続させなければなりません。そのために必要なものとは・・・、はっきり言って金です。現金さえあれば、雇用継続が可能、倒産も回避できます。そのため巷では給付金、助成金、補助金や特別融資のオンパレード。確かに手元の現金を増やすには有効ですが、それだけで十分でしょうか。

例えば、一家の大黒柱の収入が減ってしまったなら・・・。おそらく妻がパートに出て少しでも収入を増やし、毎日チラシに目を通して1円でも安く買い物を済ませます。夫の小遣いも減らし・・・。まさに「入るを量りて出ずるを為す」という故事もありますが、企業経営では「出ずるを制して入るを量る」。つまり、先ずは「出」を減らし、その上で「入」を計算するのがセオリー、と私は考えます。

企業にとっての「出」とは、大部分が人件費です。しかし、この人件費は簡単には削れません。企業収益と連動する賞与などの特別手当であれば若干の調整は可能ですが、毎月の固定給の減額となるとそれは聖域でしょう。むしろ、従業員の固定給を減らすより、まず自分の役員報酬をゼロにするほうが先、とアドバイスを送りたくなります。

その他の「出」には借入金の返済があります。借入銀行に相談してリスケジュールなどの条件変更も良いのですが、一度やってしまうと銀行内部の内申点が低くなり、次に借りるときの条件が悪くなって将来苦労します。次に返済の据置や借換の検討となりますが、手続きがそれなりに面倒です。そこで、私が最もおススメするのは、国や自治体に税金を納めることを待ってもらおう、つまり、「納税猶予」です。

当社は3月決算ですので、通常ならば法人税や消費税を5月末までに納付しなければいけません。しかし、納税猶予を活用すると、ほぼ全ての納税が1年間先送りになります。この制度はいつでも活用できるのですが、今回のコロナ禍では通常支払わなければならない延滞税がゼロになる特例制度が出されました。仮に納税総額が3千万円であれば、3千万円を無利子・無担保・無保証で1年間借りたのと同じことになります。下記にリンクを貼りますのでご参照ください。

国税(国税庁)・・・法人税、地方法人税、消費税など
県税(埼玉県)・・・法人県民税、法人事業税など
市税(川越市)・・・市町村民税、事業所税など

決算が終わって既に納税を済ませてしまったお方、早く教えてくれれば良かったのに、と嘆くことなかれ。なんと、月々の社会保険料も納付猶予の特例制度の対象とされます。

日本年金機構・・・健康保険料、厚生年金保険料など

もちろん特例制度が適用されるためには、売上高が減少している、一時に納付が困難などの条件がありますが、一度は検討する価値は大いにあります。ぜひお試しください。

出(い)ずるを制(せい)して入(い)るを量(はか)る「納税猶予の特例制度」


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