蛍光灯が切れたらLEDに変えるべき?

第24回 長谷川正の「言ったモン勝ち」


仕事柄、電気についての質問をうけることがあります。よくある質問のナンバーワンは「今、蛍光灯を使っているんだけどLEDに変えたほうが良いかな?」です。想像するに、「家電量販店では蛍光灯よりもLEDが主流なんだから、LEDに取り換えないと乗り遅れる?」と思われているのでしょう。もしくは、「蛍光灯は近いうちに販売中止になるんでしょ」と考えている方も多いと思われます。でも、わたしは慌ててLEDに替える必要はないと申し上げます。

皆さんも知っている通り、蛍光灯よりもLEDの方が電気代が安くて長寿命、それは真実です。ですが、例えば一般家庭にて40W蛍光灯をLEDに取り換えるにはLED蛍光灯だけでなく、その器具全体を交換する必要があり、更には電気工事などの費用も発生します。つまり、そんな余計な費用を支払ってまでもLEDはお得なのか?という疑問が発生します。

ハッキリ申し上げて、そこまでしてLEDに交換するメリットはない、と私は断言します。前述した通りLEDは電気代が安いのですが、交換用のLED器具及び工事費用分を安くなった電気代で捻出するには少なくとも5年以上はかかります。LEDの技術革新は目覚ましく今日よりも5年後のLEDの方が格段に優れているので、5年後に購入したほうが確実に高品質な製品を手に入れることができるのです。

それよりも危惧すべきは、LEDが長寿命なのは発光するダイオードの素子に限定されるということです。つまりLED製品が故障しないわけではなく、むしろ素子に電流を送り込む電源部品が故障する確率は蛍光灯製品の同部品よりもずっと高い、と私は感じています。それを端的に表しているのがLED製品の保証期間です。

消費者の立場からは「LEDは長寿命なんだからもっと保証期間を長くしてもらいたい」と考えるでしょう。ところがメーカー側としては電源部品の品質が不安定であるがゆえに保証期間を長くできないのです。それでも、日本のメーカーであれば品質に関する考え方がしっかりしているので海外メーカーよりも品質は数段上です。安いからといって海外メーカーの製品を購入すると、安物買いの銭失いになるので注意したいところでしょう。

さて本題の「蛍光灯をLEDに変えるべき?」に戻りますが、2020年に蛍光灯の製造と販売を中止する、といった新聞記事が少し前に話題になりました。そこで当社が蛍光灯メーカーに問い合わせたところ、「発表されたのは政府の努力目標であって、2020年に蛍光灯の製造・販売を中止することはあり得ない」との回答をもらいましたので、消費者の皆さん安心してください。

私事ですが先日、キッチンの蛍光灯が切れて非常に不自由な生活をしていました。ですが、しばらくの間は手軽に蛍光灯を入手できそうなので、まだまだ蛍光灯器具には頑張ってもらう予定です。しかしながら、蛍光灯器具に関しては製造・販売を中止しているメーカーが多いので注意が必要です。

「蛍光灯が切れたら蛍光灯を買って交換、蛍光灯器具が壊れたら迷わずLED器具に交換」こちらをおススメいたします。

追伸
上記は2018年4月現在のものです。続編として「蛍光灯が切れたらLEDに変えるべき?…その後」を掲載(2021年5月)しています。

蛍光灯が切れたらLEDに変えるべき?


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